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車いすの開発で極めた超軽量化技術

自動車・オートバイ・船外機の部品加工など金属加工メーカーとして、様々な金属・治工具の設計製作、精密部品の加工、検査業務の請負、試作品の製作を手がける。独自ブランドの車いす「MC-X」は、マグネシウムフレームなどの採用で世界最軽量の約6.2kgを実現。超軽量化と高剛性化を両立させた。

  • 金属・治工具の設計製作
  • 精密部品の加工
  • 検査業務の請負
  • 試作品の製作
  • 超軽量車いす「MC-X」で2014年度グッドデザイン賞ベスト100受賞

橋本エンジニアリング株式会社
〒434-0041 静岡県浜松市浜名区平口5559
TEL 053-587-6508 FAX 053-587-2289
ホームページ http://www.hashimoto-eg.com/

自動車で培った技術を医療分野へ応用

リーマンショックの後、当社の固有技術をいかした産業に挑戦しようと決め、自社ブランドを立ち上げることにした。成長産業である医療機器分野で何かできないかと思っていた時、浜松地域イノベーション推進機構の支援でチタン事業化研究会が設立された。その研究会に参加している6社でメディカルプロジェクトが立ち上げた。医療機器向けにチタンをメインとした開発を行った。医療機器の市場で困っていることを聞きながら、作っていく中で、成果物もできた。その研究会が終わり、改めてハミングという組合を作って事業化に向けて進み出した。医療関係では自動車とかのハイレベルな加工技術が用いられてない。手作業が多い。それを機械化したら、技術も継承されるし良いのではないか。

若手社員で開発チームをつくり新しいアイデアを

まず20代30代の若手社員6名で開発チームをつくって、知財の専門家に頼りながらアイデアの出し方や特許ついてなど勉強した。いろいろな分野の展示会に参加して、今の業界の状況と、そこに当社が進出できる製品がないかと模索した。開発チームの第1号作品として介護の分野で「もどらん」というブレーキを開発した。車いすが登り坂(スロープ)でも戻らないという画期的なブレーキ。これをもとに展示会に出た。車いすのメーカーは花形だった。その中で車いすの軽量化の流れがあった。車いすを積み込んだり、押したり、しまったりという操作では軽い方がいい。軽さそのものが操作性も良くする。

超軽量車いす「MC-X」の開発

軽量化は市場のニーズがあるけど、コストが高い。市場のニーズに答えられるような軽い車いすを作ろうと思ったのが開発のきっかけ。それがマグネシウムなど新素材を使った車いす。アルミやチタン、カーボンと比べてマグネシウムが一番軽い。値段はチタン、カーボンより安く、アルミより高い。車いすの素材と考えるとメリットが多い。振動を吸収してくれる。軽いけど強い。リサイクルが可能。硬いので変形しにくく、フレームに当たっても凹みにくい。経年変化がしにくい。

マグネシウムの成形・溶接で協力

マグネシウムは成形や溶接が難しい。曲げようとすると割れてしまう。溶接棒すら存在しないので、マグネシウムを溶接することはありえないと思われていた。溶接できるところを探していて、岩倉溶接工業所さんに出会った。3D図面化・解析・設計・溶接技術開発では榛葉鐵工所さんに協力していただいた。他にも浜松地域イノベーション推進機構、行政、大学、デザイン会社などの支援や協力を得て、世界最軽量の車いすができあがった。

医療現場で困っているモノを作りたい

現場から日々情報をいただきながら、私たちハミングで何ができるかを模索している。特に当社は軽量化について。この軽量化技術はハミング4社がみんな関わっている。医療機器や器具で必要なものなので、こちらから積極的に提案していきたい。ハミングブランドが世界中の病院で使われるような製品を開発したい。そして浜松の町工場の技術を集結した医療機器や製品をつくりたい。最先端にはこだわってない。医療現場で実際困っているモノ、あったらいいなと思うモノを作りたい。実際何に困っているのかを知るため、多くの医療現場から声が掛かるようにしていきたい。