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はままつ医工連携拠点(通称)

はままつ次世代光・健康医療産業創出拠点 前拠点長
松浦 脩博様

医療とものづくり企業を結ぶ拠点

浜松はものづくりの街と言われている。そして、浜松医科大もある。しかし、医療機器メーカーが少ない。その環境の中で、拠点としてやるべき活動は、医療機器メーカーを新たにつくることだけではなく、既存メーカーがその保有技術を活かし、医療機器メーカーにコンポーネットとかパーツを供給したり、製品を共同開発するといった機会創出とその実現支援だと考える。

情報交換会・現場見学を実施

医療と工業の間で、特に医療に関係ないエンジニアが医療現場に入ることは大変難しいのが現状。そもそも医療との関係を持つこと自体が難しい。自分自身は医療メーカーにいたので知識があったつもりだったが、それでも実際の医療現場にはなかなか踏み込めないと感じる。こうした経験から、この拠点での企業支援策として、現場の先生方の状況を直接聞いたり、医療の現場を見学できる機会を提供している。具体的には、毎年3つ程の診療科を2回にわたって情報交換会と現場見学会をセットで実施してきた。

全国で医工連携という活動が行われているが、こう言った医療現場の声を聴くセミナーを毎年継続的に実施しているのは他にはあまりないと聞く。浜松医科大学は産学連携・医工連携に理解があり、受け入れ体制ができている。また、浜松商工会議所の中に100社くらいの企業さんが集まっている医工連携研究会があり、浜松の人たちがとても積極的。「やらまいか」精神が今の形に繋がっているのと考える。この意識を大切にし、健康医療産業の目が出るようにしたい。 医療現場での声を企業にマッチングさせるのはそう簡単なことではない。しかし、実際に共同開発しているものもあるので、情報交換会後、現場見学という形は変わるかもしれないが継続するべきだと考えている。

医療機器の開発の難しいところ

民生品(テレビや車)は開発した人もその他の一般人も使える。しかし、医療機器は、薬機法上医療従事者しか使用できない。人の命に関わるのだから当然だが、開発した人が治療や診断に使うことができない、すなわち良し悪しの判断を自らができないという点に、医療機器の開発の難しさがある。従って新しく参入するメーカーはたくさんあるが、ものづくりをする中で、自分では現場で使えないといったジレンマもありなかなか形になりにくい。それをどう乗り越えて行くかが医療機器開発のキモと言える。そういった視点もふまえ、地域の企業さん向けに薬機法のセミナーなどを開催し、医療機器事業参入への情報提供も大事な拠点の役割と認識している。

ハミングに期待すること

今は四社で活動されていて、実際にいくつか形になって来ている。また、新たなプロジェクトも動いている。これらは、さきほど述べた浜松医科大学との情報交換会での医療現場ニーズにヒントを得てスタートしたものもある。製品化には色々な課題があり難しいが、ハミングは一社ではないところが強みだと思う。これから更に参加するパートナーが増えていけば、よりものづくりの色々な展開ができるのではないかと期待している。