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締結分野を俯瞰した新たな視点で広く社会へ貢献

1955年の創業以来、一般規格ねじ・特殊ねじ・オーダーパーツの製造・販売を手がけてきた。2006年より医療機器事業に参入。自社ブランド製品「ねじブロック®」は、子どもの知育玩具から高齢者のリハビリ器具としての活用が期待されている。

  • 整形外科用骨固定ねじ・手術用器具の製造
  • 自社ブランド製品「ねじブロック®」(第10回キッズデザイン賞受賞)の製造・販売
  • AEDの販売
  • 医療機器製造許可取得
  • 高度管理医療機器販売業取得

橋本螺子株式会社 メディカル事業部
〒435-0028 静岡県浜松市中央区飯田町155
TEL 053-461-5012 FAX 053-464-1659
ホームページ http://www.hashimoto-neji.co.jp/

チタンという素材に惚れ込んだ

軽い、強度がある、錆びない。将来伸びるだろうと思って、他のねじ屋との差別化で、チタンの勉強をした。チタンで何か製品を作りたいと思っていた。たまたまチタンで作った部品を展示会で飾っていたら、医療関係の人が来て、こういう部品ができるなら、試作してみるかと言われた。うちが医療をできると思っていなかった。経済産業省から小さい会社が医療やってるのは良い見本になるから話をしてくれと、いろいろなところの講演会で話しをした。

チタンは加工が難しい

加工にはノウハウが必要だ。その上需要が限られている(医療や潜水艦など)。伸びるようで伸びない素材。一般的にステンレスのねじとチタンのねじを比べると10倍と言われている。材料費も加工費も高い。削り難いし刃物が保たないとか難しいところがある。

鋼製器具とねじブロック®

いま中心的にやっているのはこの二つ。骨を止めるボルトを委託して作る。体内の中に入るボルト、脊椎の骨を固定させるボルト、このボルトを扱う中で手術用の器具をつくっている。

ねじブロックを作ったきっかけは、ねじを一般の方にもっと親しく理解して欲しいと思ったこと。ねじの大切さとか重要性が伝わっていないと思った。ある時、浜松医科大学のリハビリへ見学に行くと、ねじが置いてあった。何に使うのかと聞くと、手が不自由な人のリハビリで使うと言う。ねじブロックの構想を話したら、持って来てと言われた。掴んで運ぶ回すという動作は簡単にやっているが、脳に障害があったり体が不自由だと難しい。真っ直ぐ掴むことが難しい。その3つの動作がねじブロックでできる。

医療部品の難しい点は

図面は無かった。医療の世界は感覚の世界。現物しか無い。作ってみると、もっとしなって欲しいとか、硬い柔らかいとか抽象的な表現で返ってくる。今まで数値で作っていたので、ドクターの感覚的な表現とずれがあった。ちょっと曲げてと言われて曲げていくと、もう少しと言われることが多々。手にピッタリ合うというのはドクターごとに違うと思うが、それに合わせていくとオーダー品になってしまうので、ある程度基準を決めて、一般的に使ってもらえるものを作っている。現物での採寸は大変だが、試作品を作って、使ってもらって、評価をしてもらって、改良して作っていくのを繰り返している。

手術器具製造の現状を知ってHAMING設立

弊社が医療に参入することになったのは、あるお客様から、手術用の器具を作れないかと20点ほどご依頼をいただいたのがきっかけだった。その時に初めて日本の医療器具製造の現状を知った。職人が手づくりしているけれど、高齢になり後継もいない。製造が厳しくなってきた。少量生産かつ複雑でやる人がいない。それを補うために海外から輸入していた。それを聞いてもったいないと思った。この産業はものづくりのまち浜松に合っているんじゃないかと思った。

2010年に新素材研究会というチタンやマグネシウムなどで新事業を起こそうという研究会を立ち上げた。その研究会で医療器具製造の現状を話して、浜松でやろうよと提案した。職人が作っていたものを浜松の技術で再現していこうと。それがHAMING設立のきっかけだった。

浜松地域を医療機器健康福祉産業の集積地に

これはHAMINGを立ち上げた時のスローガン。HAMINGとしての製品を増やしていく。医療機器や福祉機器を世に出したい。HAMINGオリジナル製品は、染色バスケット&バット、肛門鏡、鋼製器具。開発中のもの試作中のものは他にもまだある。医療に取り組んでいる企業のバックアップなど、浜松地域としてお手伝いをしていきたい。