チタン陽極酸化技術の医療分野への応用
軽い。強い。錆びない。優れたチタン製品
チタンの特長を一言で言うと「軽い、強い、サビない」。鋼と比べると比重は約三分の二であり、強度は同等、耐食性も抜群です。このような特長から需要の大半は、ジェット機や人工衛星の機材用でしたが、研究開発により「人体に害を与えない」などの特性が見出され、医療分野や装飾品に使われています。
無数の色彩表現が可能
錆びない金属チタンも、表面は極めて薄い自然生成の酸化膜(チタンと酸素の化合物(TiO2))に覆われています。この薄膜は、屈折率の高い透明な膜を成しており、この被膜がプリズムの役割を果たして光線を屈折させる為、光が干渉し合いある波長の光が抜け出し、あたかも着色されたかのように見ることができます。そして、この酸化被膜の厚さを人工的に調整すると、光の波長の違いによって無数に近い色を表現できます。この被膜は、屈折率の高い透明な被膜ですから、艶やかで鮮やかな色合いを出す事ができます。
医療・福祉分野への応用
骨固定ねじなど、カラダの中に入れるものにチタン素材が使われます。色によってサイズなどを分類したい場合、チタンは表面酸化被膜の厚さのみの調整で色をコントロールすることができるため、体への影響が気になる染料や顔料を使用する必要がありません。これも、チタン材が医療・福祉分野で採用される大きな要因といえます。